歯周病と骨粗鬆症の関係について
食欲の秋ですね🌰山の恵みの美味しい季節がやってきました。丈夫な歯を保ち美味しいものを食べ豊かな生活をしていけるよう、今回は歯と骨粗鬆症の関係について取り上げます。
骨粗鬆症は、全身の骨強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、日本では推定約1.000万人以上いると言われています。実は、骨粗鬆症にかかっている人は、歯周病にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあります。 また歯周病によって歯を失うと、かむ能力が低下して、食物の消化吸収力の低下を招きます。 その結果、ビタミンDやカルシウム不足、低栄養となり、骨粗鬆症を悪化させることがあります。 歯周病と骨粗鬆症は、一見関係のなさそうな病気ですが、関連しているのです。
骨粗鬆症の中でも閉経後骨粗鬆症は、閉経による卵巣機能の低下により、骨代謝にかかわるホルモンのエストロゲン分泌の低下により発症します。
閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。
エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。
また、高齢になるにつれて、体内のカルシウムの量が減少すると、様々な身体的変化をもたらします。
中でも特に注意が必要なのは骨折です。
高齢者の場合、転倒などにより簡単に骨折し、そこから寝たきりになるケースが多くみられます。
歯科治療の場合においても、高齢になるにつれ歯周病が現れやすくなり、治療が必要な患者さんが増えてきます。骨粗しょう症やカルシウムの摂取不足が直接歯周病を引き起こすことはありませんが、歯周病を悪化させる因子であることは数々の調査や研究で明らかになっています。
歯周病を予防するには毎日のケアや定期的な歯科検診を受ける事が大切です。骨と歯、どちらも健康にいつまでも季節の味を楽しみたいですね。